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■歌の訓練は運動学習の積み重ねです。 運動学習というものの考え方について解説しました。
訓練法 | 技能学習全般の考え方 |
この項目の解説動画 | |
【準備中…】 |
この項目における学習内容 | |
学習心理学における技能学習の3つの段階 | |
運動協応 | |
正しい目標設定と認知段階 | |
即時フィードバックと連合段階 | |
反復練習と自律(自動)段階 | |
SOS学習モデル | |
無意識使用の段階と小脳性運動 |
この項目の到達目標 | 到達確認 |
技能学習の3ステップを意識しながら訓練ができる | |
技能学習の3ステップとSOS学習モデルの関連が理解できる | |
小脳性運動と無意識運動の関係が理解できる |
◆学習心理学における技能学習の3つの段階
技能学習=感覚と運動の協応関係が未熟な状態から熟練した状態へと変化すること
→運動を正しく認知し、思い通りの運動が出来る様になるためのステップ
以下に説明する「運動と知覚の協応」の学習が、技術学習であると言える
学習心理学における技能学習(運動と知覚の協応の習得)には3つの段階がある
=認知段階→連合段階→自律(自動)段階の3段階
◆運動協応・知覚協応・運動と知覚の協応
協応 = 複数の身体部位や感覚などが組み合わさって一つの現象を生み出す事
例)咀嚼(そしゃく)運動=顎関節、舌、口唇、頬などの運動が協応することで成立している。
運動協応 咀嚼運動のように、複数のパーツの活動により運動が成り立つこと
知覚協応 例えばボールを蹴る時は、ボールの位置を視覚認知しながら足の動きを感覚認知する
運動と知覚の協応
→上記2つを統合して、自身の運動を正しく認知し、想像した通りの運動を行うこと
◆認知段階
・目標の運動と自分の運動を正しく認知する段階。この段階の場合の多くは
1.目標の運動を正しく認知できておらず、気が付いたらお手本の運動を見失っている
2.自分の運動を正しく認知できておらず、お手本と自分の運動のズレに気が付けない
上記の様な事が起きている事が多い。
例)綺麗な裏声の場合
お手本 :声帯閉鎖が適切にかかっており息漏れが無く、かつガリガリとしたノイズが無い
実際の運動:息漏れを無くそうと過剰閉鎖してしまい、ガリガリとしたノイズが出ている
この様なズレに気が付けない場合、間違った運動を学習してしまい成長の妨げになってしまう。
→いわゆる「変な癖が付いた状態」となってしまう。
・正しい認知をするために必要なこと
細かな音色の違いに気が付ける耳の良さ
→正しい知識、様々な声を聴いた経験、常に自分を見つめなおす思考など
◆連合段階
・運動と知覚の協応が成功し、正しい運動が行える様になった状態。上記認知段階で
1.正しい目標認知
2.お手本と自己のズレの認知、修正
が出来た時に正しい運動が行えるようになる。
※ただし、正しい運動を行うための発声能力(身体能力)が備わっている必要がある。
また、この1と2を達成するために正確な即時フィードバックが重要となる。
正確な即時フィードバック→ズレの修正→正しい運動の成功 へとつながる
◆自律(自動)段階
・正しい運動が成功した後、反復練習により成功率が上がり100%になった状態。
反復訓練によって、特別な意識をしなくても体が勝手に目標の運動をしてくれるようになる。
→技能学習の手続き記憶化が成功した状態と言える。
※手続き記憶:自転車の乗り方のように、体が覚えている運動や行動の記憶の事。
学習心理学における技能学習では、この段階への到達がその運動の習得だとなっている。
◆SOS学習モデル 6つの段階
・感覚→知覚認知→獲得→成功率向上→安定化→無意識使用
上記技能学習をさらに細分化した物。当スクールのレッスンはこのモデルをもとに構成される。
※詳細は別記事を参照。
それぞれの段階を細分化し、次の段階に進むために必要なステップを体系化した物。
◆無意識使用の段階と小脳性運動
無意識下での運動調整は、小脳によって行われていると考えられている。
最終段階である無意識使用の段階達成には、小脳と喉頭のリンク強化が重要である。
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