· 

声区とはなにか

ご案内1:こちらの記事はPC画面での閲覧を基本にレイアウトしております。

縦に長いスマホ画面では見にくいため、スマホでご覧になる方は横向き画面での閲覧を推奨します。

ご案内2:この記事のPDFファイルはこちらから閲覧とダウンロードが可能です。

ダウンロード
ベーシックコース - 声区とは何か.pdf
PDFファイル 92.3 KB

■「三声区論」や「声区融合」などの言葉で耳馴染みのある「声区」 その定義やメカニズムについて解説します

発声学概論 声区とはなにか
この項目の解説動画
【準備中…】
この項目における学習内容
声区とはなにか
地声と裏声 
ブレイクとセグメント 
3声区論 
声区融合とは 
各アンザッツによる声区分類 
発声知覚配置と声区
この項目の到達目標 到達確認
声区という言葉の定義がわかる
声区の分類法について、概要がわかる 
アンザッツや発声知覚配置と声区の関係がわかる 
 

◆声区とはなにか

 声区 = 音質や発声のメカニズムにおいて、他の声種と明確な違いのあるもの

 一般的には【地声】【裏声】の2つの声区が一般的

 音程による違いとして声区を取り上げると

 ・大分類 : 地声と裏声の2声区

 ・小分類 : 第1~第5セグメントとブレイクの7声区

 上記2種類の分類違法がある

 

 発声メカニズムによる声区分類としては2声区論が最も扱いやすい

 その為当スクールでは【地声】【裏声】の2声区論を基本として理論展開している

 

◆地声と裏声

 ・地声 = 内甲状披裂筋の働きによって倍音が増加した声

 ・裏声 = 内甲状披裂筋の働きがなくなり倍音が減少した声

 →地声と裏声による声区区分 = 内甲状披裂筋の活動の有無による区分となる

 ※地声と裏声の詳細は関連記事を参照

 

◆ブレイクとセグメント = 音程によって声種を区分する最も詳細で正当な区分法の事

 ・ブレイク  = 内甲状披裂筋の働きのみで上げることのできる音程の上限

          男女問わずC4~F4のどこかにその人のブレイクポイントがある

          一般的に言う「男性の換声点」の事。

 ・セグメント = 音程によって声質や発声メカニズムが変化するポイントの事

          最も低い第一セグメント(F3)~最も高い第5セグメント(C#5)まで

          5か所のポイントで、6種のエリアが存在する

 

 上記ブレイクとセグメント合わせると、6ポイント7エリアの声種に分類することができる

 ※ブレイクとセグメントの詳細は関連記事を参照

 

◆3声区論

 3声区論 = 現在最も流行している声区分類の方法

 【地声】【ミックスボイス】【裏声】の3つに分類されている

 「ミックスボイス」と呼ばれるものに独立したメカニズムは無い。

 その為ミックスボイスを声区と呼ぶのは不適切であり、実際には2声区論が正しいものとなる。

 ※3声区論には、それぞれの声区の別名が多くある。どれもほぼ同様の意味の語。

  裏声の別名   :頭声・ヘッドボイス など

  ミックスボイス :中声・ミドルボイス など

  地声の別名   :胸声・チェストボイス など

 

◆声区融合とは = 異なる声種同士を境目なくつなげていく事、その訓練法。

 一般的には地声と裏声の声区融合がメジャー

 そのつなぎ目の事をミックスボイスと呼ぶ流派もある

 実際には音域に関わらず6つの声種(アンザッツ)があり、各アンザッツを繋げることが声区融合

 

◆各アンザッツによる声区分類

 声種としてのアンザッツは6種類あり、それぞれ1~6のナンバリングがされている。

 (本来のアンザッツは3のみaとbの2つに分かれるが、ここでは割愛)

 アンザッツ1:地声タイプ 喉仏の上がった細い地声

 アンザッツ2:地声タイプ 喉仏の下がった深く明るい地声

 アンザッツ3:地声タイプ 喉仏の下がった深く重たい地声

 アンザッツ4:裏声タイプ 喉仏の下がった深く明るい裏声

 アンザッツ5:裏声タイプ 喉仏の上がった細い裏声

 アンザッツ6:裏声タイプ 喉仏の下がった深く重たい裏声

 ※各アンザッツの詳細は関連記事を参照

 

◆発声知覚配置と声区

 ・発声知覚配置 = 各声種ごとに響きを感じる部位をマッピングした物

  →現在では「万人共通の発声知覚は存在しない」というのが通説のため

   この発声知覚配置は基本的に使用するべきではないという考えが一般的

 ・発声知覚配置と声区

  上記の発声知覚配置をそのまま声区とするボイストレーナーが多い

  例:口腔共鳴と鼻腔共鳴で声種が変化 → ハイトーンは鼻腔共鳴の声区で歌う 等

  発声知覚配置は万人共通のものではない→それによる声区区分もすべきではない