◆相談者様
裏声の訓練に用いる母音について知りたい20代男性
◆質問相談内容
※元々別の相談者様(裏声が掠れて大きく出せない方)に「ウ」母音での純化訓練を勧めていたところに頂いたご質問です。
今回の場合「イ」ではなく「ウ」での発声が良いのか、それはなぜなのか
◆回答内容
■まずは各母音の特徴から。
・「イ」
→オトガイ舌骨筋や甲状舌骨筋などの舌骨上筋群が働いて喉仏が上がりやすい。
喉仏が上がると嚥下反射の作用で声帯閉鎖が促進される。
・「ウ」
→茎突咽頭筋などの引き上げ筋と胸骨甲状筋などの引き下げ筋が働いて、甲状軟骨が下がり輪状軟骨が持ち上げられる状態が出来る。
→輪状甲状筋が働いた状態と同じ働きが起きて、声帯の伸展が促進される。
■次に今回のメニューの目的
今回の場合、裏声の純化(裏声に入っている余計な喉の詰まりを取るイメージ)が目的です。
【元々の相談者様】の場合、恐らく「声帯閉鎖の働き」と「地声系の働き」が強く混合した状態の声です。
「イ」で声帯閉鎖を促進すると、閉鎖と一緒に地声系の筋肉も強く働いてしまうので結果的に裏声の純化に不適切。
(ちなみに裏声発声時は地声系の筋肉が過剰に入ると声が掠れて声量が出ない)
「ウ」で声帯の引き伸ばしを促進する事で、よりピンと張った声帯での裏声発声が出来るから裏声が綺麗になりやすい。
閉鎖をかけて行くのは次の段階に入ってからがベターかと思います。(もちろんレッスンで見れるなら純化と閉鎖訓練は同時進行で進めますが、この場ではこれが限界)
◆相談者様からの返答
「ウオアエイ」は声帯が閉じやすい順番という認識であっているか
簡潔に教えて!
◆回答
簡単に言います!笑
閉じやすさではなく、喉仏の高さ順でその母音が並んでいる感じ!
「イ」が一番喉仏上がりやすくて「ウ」が一番喉仏下がりやすい(人が多い)です!
◆相談者様からの返答
喉が上がるから結果声帯が閉じるということか?
◆回答
閉じる働きも色々あるので細かく話すとちょっと惜しい解釈って事になるのかなと思ってます!
ただ、ざっくり見ればそういう解釈でいいかなと!
その後は雑談をして、やり取りは終了しました。
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