女性【久しぶりに歌ったら声が響かない】

◆相談者様

学生時代に合唱をやっていた女性

◆質問相談内容

久しぶりに歌ったら声が響かなくなっていた。

日常的にやるべき練習法や呼吸法が知りたい

◆回答内容

ご質問ありがとうございます!

・基本的な発声練習

・呼吸訓練

この二点ですね!

 

・まずは呼吸法について

呼吸については、基本的に訓練の必要はないというのが一旦の結論にはなります。

詳細についてはご興味あれば追加で説明をしますが、主な理由はわざと呼吸をコントロールしようとすると発声のバランスが崩れてしまうから、という理由になります。

なので、呼吸と関連する発声訓練法を紹介しますね!

 

①ドッグブレス

②吸気性発声

 

この2つをご紹介します!

 

①ドッグブレス

いわゆる犬の「ハッハッハッハ」みたいな呼吸を真似る訓練です。

この訓練の前段階として、まずは出来るだけ早く息を「吸う⇆吐く」を繰り返しましょう。

ポイントとして、2回連続で吐くが続いたり吸うが続いたりしない様に、必ず「吐く」「吸う」を交互に繰り返して下さい。

この時、繰り返すスピードを速めるのと同時に出来るだけ沢山の空気量を吐いたり吸ったり出来るとより良いです。

これが出来たらいよいよ本番、今度は「息を吸う⇆声を出す」を、上と同じく速く・息を沢山使ってやってみましょう。

これも同じく「声2連発」「吸気2連発」などならない様に、必ず交互に繰り返して下さい。

また、この訓練法は変なやり方をしたり喉自体が育っていないと、人によっては喉を痛めやすかったりする訓練法です。

自分の生徒さんならタイミングをみて紹介できるのですがここでは難しいので、やってみて喉に負担がありそうなら他の訓練をした後しばらくして再チャレンジしてみて下さい!

 

次にこの練習の意味を説明しますね。

良い発声をするには、呼吸筋と声帯のリンクが非常に大切になります。

「神経筋制御理論」「ニューロマスキュラーコントロールシステム」などと呼ばれる理論があって(名前は覚えなくて大丈夫ですよ)、要約すると「発声時、息が声帯を振動させる前に喉が正しいフォームを取るのが大事」みたいな内容になります。

この訓練では

・声を出して喉のフォームを作る

・息を吸って喉のフォームをほどく

これを繰り返すことで、上記の「発声前のフォーム作り」の力を鍛えている練習となります。(僕はこれを「声と息のリンク」と呼んでいます。)

 

②吸気性発声

通常声を出すときは息を吐きながら出すと思うのですが、人間は息を吸いながら声を出す事も出来ます。

明石家さんまさんの引き笑いなどはその典型例ですね。

この吸気性発声で裏声を出す練習をしてみて下さい。

 

段階としては

・どんな声でもいいから一瞬音が出る

・どんな声でもいいからちょっとだけ伸ばせる(1秒くらい)

・裏声で一瞬音が出る

・裏声が伸ばせる

・綺麗な裏声で伸ばせる

・綺麗な裏声で音程や言葉が操れる

こんな感じでしょうか。

 

また、ポイントとして「あまり強く息を吸いすぎない」のが大切になります。

強い息を使うと声帯の反射で声帯が過剰に閉じるという特徴があります。

普段の話し声くらいの息の強さで充分響く声が出せるので、息を強くしすぎない事は全てにおいて意識すると良いかと思います。(もちろん大ホールでアカペラする位の声量を出す時などは多少強い息は必要ですが)

 

次にこの練習の意味になります。

この吸気性発声は、喉のつまり(あえて大雑把な書き方をしています)が強い人は音になりません。

その為、通常の発声では気がつけない小さな喉詰まりを解くのに有効です。

また、声を出す中で最も重要な「音程を上げる」筋肉を強く使えるという特徴もあります。

普通に声を出すより吸気性の方がよく効くというイメージです。

 

◆相談者様からの返答

ドッグブレスは初めから短い息で行った方が良いのか

綺麗な裏声とは響きのある安定した声という事であっているか

 

◆回答

・ドッグブレスに関して

もし出来る様なら初めから短く速くやるのがいいです!

ただし、短く速く行うと「吸う⇆吐く」が出来ずに「吐く→吐く→吐く→…吸う」になっちゃう人が非常に多いのでそこに注意です!

 

・吸気性発声に関して

そうですね!響きのある安定した裏声、イメージとしてはソプラノ歌手の様な裏声をイメージすると良いと思います!

 

・次に基本的な発声訓練について

色々な声を聞いてみないとなんとも言えないところではあるので、ここでは「誰でも必ずやるべき事」に絞ってお伝えしますね!

 

音域や声の響きがなくなったと言う場合は声帯の働き、特に裏声が衰えたと考えて良いと思います。

なので基本的にまずは裏声を鍛えることからスタートしてみましょう。

自分が出せる最大限に綺麗な(ソプラノ歌手みたいな)裏声を、まずは出しやすい声量と音域で出してみて下さい。言葉は「フ」が良いと思います。

それが出来たらその声質が変わらない様に注意しながら音程を下げていって、まずは話し声くらいの低さまで綺麗な裏声を保って下げられる様に鍛えてみて下さい!

 

大事なノートに僕のYouTubeも載せているのですが、その中に「裏声の純化」という訓練法がります。

その内容の初期段階となりますので、もしご興味あれば一度見てもらうとわかりやすいかもしれませんね!

その後は相談者様が内容をまとめて下さり、それを確認した後雑談をしてやり取りは終了しました。